ちょっとしたコツで分かる革製品の手入れ

牛革や豚革、鹿革など、様々な種類がある革には人工的な素材にはないナチュラルな美しさがあります。革製品のユーザーなら、その美しさをずっと保ちたいものですが、その美しさを損なわせる革製品の天敵が「カビ」です。革製品は手の油やメンテナンスのクリームの油脂など、カビが繁殖するための栄養が豊富であるため、手入れを怠るとあっという間にカビにやられてしまいます。最悪の場合、春先に買った革製品を梅雨の時期に雨にぬらさないためにクローゼットで保管していて、梅雨明けに使おうと思って取り出したらカビだらけで使い物にならなくなっていた、なんてことも。そうならないために、ここではカビを予防するための基本的なお手入れ、そしてカビが発生してしまった後の基本的なお手入れを紹介します。

カビを発生させないためのお手入れ

カビを発生させないためには、まずはどのようにカビが発生するのかを理解する必要があります。カビの元となる胞子はどこにでも空気中を漂っています。その胞子が革などのタンパク質や脂質が豊富にある場所に付着し、気温が20~30℃、湿度が80%以上になると一気に繁殖を始めます。したがって、カビを防止するためには養分となるものを除去する・革製品の温度を下げる・保管場所の湿度を下げるという方法があるわけですが、油脂が含まれるクリームは革製品の必需品ですし、革製品を冷蔵庫や冷凍庫で保管するわけにはいきません。よって、湿度が上がらないようにするというのが基本的な革製品の手入れの仕方です。具体的には①水にぬらさない②水にぬれたらすぐにふき取り乾かす③保管場所は風通しが良い場所にする④箱に入れる場合には除湿剤を入れる、といった方法でカビの発生を防ぐことができます。

カビが発生してしまったときのお手入れ

カビが実際に発生してしまったときのお手入れは、カビの発生の程度によって違ってきます。
小さなカビが点在する程度であればカビの菌はまだ表面についているだけですので、柔らかい布を濡らし、固く絞って軽くふき取り、しっかり乾燥させれば大丈夫です。
一方、広い範囲にカビが広がっている場合には、革の内部までカビの菌が侵入してしまっている可能性が高いため、軽くカビをふき取った後、メタノールなどを吹きかけてカビの菌を殺菌し、さらに革製品専用の洗剤で全体をしっかりと洗うようにします。カビが目には見えない部分であっても、カビの菌がついている状態となっていますので、きちんと革製品全体を洗うようにしましょう。しっかりと洗った後は、数日間かけて完全に乾燥させるようにします。
以上が基本的なお手入れですが、カビがすぐに発生してしまうようならば、革製品のクリーニングを扱う業者に相談・依頼することをおすすめします。